Kollectプラス法律事務所 弁護士 津金 貴康 京都弁護士会(登録番号51372)
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刑事手続の流れ(公判段階)

起訴されてから判決までの流れです。 事実関係に争いのない事件は、第1回の期日で終わることが多く、判決はその2〜3週間後です。 争いのある事件は、数か月から1年以上かかります。 ここでも、段階ごとにできることが違います。

逮捕から起訴までの流れは 刑事手続の流れ(捜査段階)をご覧ください。

FLOW

起訴されてからの流れ

起訴されると、「被疑者」から「被告人」になります。捜査段階と大きく変わるのは、次の2つです。

起訴

被疑者から被告人へ

検察官が起訴状を裁判所に出し、その写しが本人に送られます。 身体を拘束されている場合、勾留は「被告人としての勾留」に切り替わり、 保釈されるまで、勾留が続きます。

気をつけること

  • 起訴されても、勾留は終わりません。保釈されなければ、判決まで拘束されたままになります
  • 起訴状に書かれた事実が、この先の裁判の対象になります。ここを読み落とすと、争う点を立てられません

できること

  • 保釈を請求できるのは、ここからです。起訴直後に出せるよう、起訴前から準備します
  • 検察官が証拠にしようとしている書面を閲覧・謄写します(刑事訴訟法299条1項)
  • 一度却下されても、事情が変われば繰り返し保釈を請求できます

※保釈金額は、私の経験では、150万円以上です。 一括で用意する必要がありますが、用意できない場合は、 保釈支援協会等を利用して用意できる場合があります。

第1回公判期日まで

実務では1か月〜1か月半

証拠を検討し、事実関係を認めるか争うかを決め、必要な準備をする期間です。 争いの大きい事件や裁判員裁判では、先に公判前整理手続(刑事訴訟法316条の2以下)が入り、 ここが数か月から1年以上になることがあります。

気をつけること

  • 検察官の証拠に同意すると、その書面がそのまま証拠になります。同意するかどうかで、裁判の長さも結論も変わります
  • 被害を受けた方との話し合いは、判決までに間に合わなければ刑の重さに反映されません
  • 「争いがないのだから準備は要らない」ということはありません。刑の重さは準備の内容で変わります

できること

  • 検察官の証拠に同意するかどうかを、1つずつ決めます
  • 被害弁償・示談を進めます
  • 争いのない事件では、情状証人(ご家族・勤務先の方など)を頼み、当日に話す内容を打ち合わせます
  • 争いのある事件では、検察官の主張と矛盾する証拠がないかを徹底的に探します
  • 公判前整理手続に付された場合は、類型証拠開示請求(316条の15)などで、検察官の手持ち証拠を徹底的に出させます

第1回公判期日

冒頭手続 → 証拠調べ

名前や生年月日の確認、起訴状の朗読、黙秘権の告知があり、 そのあと起訴状の内容を認めるかどうかを述べます(罪状認否・刑事訴訟法291条)。 続いて証拠調べに入ります。 身体を拘束されている場合、原則として手錠と腰縄は入廷前に外されます。

気をつけること

  • ここで述べた認否が、この先の方針を大きく縛ります

できること

  • 認否は事前に弁護人と決めておきます。当日に迷って述べるものではありません

証拠調べ・論告・弁論

争いのない事件は1回、争いのある事件は数か月

検察官の立証、弁護人の立証、被告人質問を行い、最後に検察官の論告・求刑弁護人の弁論があります(刑事訴訟法293条)。 事実関係に争いのない事件は第1回の期日で結審することが多く、 争いのある事件は証人尋問を重ねるため、結審まで数か月から1年以上かかります。

気をつけること

  • 争いのない事件でも、被害弁償や、判決後の生活の見通しを示すことが、刑の重さに影響を与えます
  • 争いのある事件では、どのような立証を行うかが重要です。尋問や弁論の技術も問われます
  • 争いのない事件でも、争いのある事件でも、裁判をどのように進めるか、裁判官に言われるのを待つだけでなく、弁護人も主体的に動く必要があります

できること

  • 争いのない事件では、判決後の生活の見通しを示します(ご家族の証言、就労先の受入れ、治療・通院の予定など)
  • 争いのある事件では、証人の話の矛盾を反対質問で明らかにします
  • 被告人質問(刑事訴訟法311条)で何をどう話すかを、事前に打ち合わせておきます

結審から2〜3週間後、判決が言い渡されます

実刑

刑事施設に収容されます

言い渡された期間、拘禁刑として刑事施設に収容されます。

収容までの間に、身の回りの整理や引継ぎをどう進めるかも、あわせてご相談ください。

罰金

お金を納めて終わります

定められた額を納めれば手続は終わります。前科は残ります。

納められない場合は労役場留置といって、刑事施設に収容されて作業をすることになります(刑法18条)。そうならないよう、納付の方法まで見通しを立てておきます。

執行猶予

刑務所に入らず、社会で生活します

刑の言渡しはありますが、定められた期間(1年〜5年)を無事に過ごせば、刑を受けずに済みます(刑法25条)。前科は残ります。

保護観察が付くこともあります(刑法25条の2)。保護観察官・保護司と定期的に面接し、決められた事項を守って生活することになります。

争いのない事件では、ここを目指して起訴の直後から環境の調整を進めます。

無罪

刑は言い渡されません

身体を拘束されている場合は釈放されます。

検察官が控訴することがあります。その期間も14日です。過ぎれば確定します。

確定後にできること(身体を拘束されていた期間についての刑事補償の請求など)もご説明します。

※保釈されていた場合、拘禁刑以上の刑の判決が宣告されると、保釈は効力を失い、そのまま拘置所に収容されます(刑事訴訟法343条1項)。 執行猶予判決であれば収容されません。

判決に不服があれば、控訴できます。 期間は、判決が言い渡された日の翌日から14日です(刑事訴訟法373条)。

この14日を過ぎると、判決が確定します。 控訴するかどうかは、判決の内容を検討したうえで決めることになりますが、 考える時間は長くありません。

控訴を考えている場合は、判決の日から数日のうちにご相談ください。 判決の内容と記録を読み、控訴に理由があるかを検討する時間が必要です。

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